MENU

心理学者エビングハウスの”忘却曲線”に学ぶ、子どもの学び直しに生かす”間隔反復”の家庭習慣

「せっかく覚えたはずなのに、少し経つとすぐ忘れてしまう」——お子さんの勉強や習い事の練習を見ていて、そう感じたことはないでしょうか。実は、この「忘れる」という現象自体は、海外では100年以上前から科学的に研究されてきたテーマです。この記事では、心理学の基礎的な知見である「忘却曲線」と、そこから導かれる「間隔反復(スペーシング効果)」という学び方を、共働きで子どもの勉強時間を確保しづらいパパ・ママ向けに、家庭で無理なく取り入れる方法として紹介します。

目次

その知見の概要

19世紀末、ドイツの心理学者ヘルマン・エビングハウスは、自分自身を実験対象にして「人はどれくらいの速さで記憶を忘れていくか」を調べました。その結果まとめられたのが「忘却曲線」です。覚えた直後から忘却は急速に進み、時間が経つにつれて緩やかになっていく、という記憶の基本的な性質を示したもので、現在でも学習科学の出発点としてよく引用されています。

エビデンス(研究からの根拠)

エビングハウスの実験以降、「一度にまとめて覚える(集中学習)」よりも、「時間を空けて何度も繰り返す(分散学習・間隔反復)」方が記憶に残りやすいという現象は、主に単語や文章の記憶を対象とした実験室での研究で繰り返し確認されており、学習科学の分野では比較的再現性の高い知見として知られています。一方で、実際の子どもの学習や、数学の手続きのように複雑な内容を対象にした研究では、分散学習の効果がはっきり出ないケースも報告されており、海外の教育心理学の教科書でも「効果の大きさは学習内容や年齢によって変わる」という留保付きで紹介されることが多いテーマです。最適な復習の間隔についても、年齢や内容によって異なるため、「何日後に復習すれば一番良いか」という細かい数値は、断定せず一般的な傾向として捉えておくのがよいでしょう。

日本の家庭での実践方法(1):復習のタイミングを”散らす”

我が家の場合、通信教育のプリントも、終わった日にファイルにしまうだけでなく、数日後・1週間後にもう一度同じプリントを見返す日をカレンダーに入れるようにしています。新しい単元だけを次々進めるのではなく、「前にやったところを少しだけ思い出す時間」を挟むイメージです。忙しい平日は難しくても、週末の数分だけでも効果が期待できます。

日本の家庭での実践方法(2):”テスト”形式で思い出す機会をつくる

ただ見返すだけでなく、「これ何だったか覚えてる?」とクイズ形式で聞いてみるのもおすすめです。自分の力で思い出そうとする行為自体が記憶の定着を助けるとされており、送迎中の車内や夕食の支度中など、ちょっとした時間に親子で会話として取り入れやすい方法です。

まとめ

「忘れることは当たり前」という前提に立ち、詰め込むのではなく間隔を空けて繰り返す工夫をするだけで、限られた家庭学習の時間を効率よく使えるようになります。知っているだけで、お子さんへの声かけや復習のタイミングに差がつく知識です。今日の会話から、ひとつ試してみてはいかがでしょうか。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次